コワーキングスペース(Coworking Space)とは?メリット・デメリット、意味・機能の解説、他のオフィス形態との比較
[記事公開日]2017/12/07 / [最終更新日]2019/05/26
コワーキングスペースとは?その意味や歴史
最近はコワーキングスペースという言葉が、当たり前に使われるようになりました。
コワーキングスペース、またはシェアオフィスと呼ばれるオフィスの形態は、時代の流れと共に組織に縛られない働き方をするような人達(フリーランスやクラウドワーキング、ノマドワーキング等々)の増加にも伴い、よく聞く様になったと思います。そして東京はもちろんのこと、地方都市においてもスペースは増加しています。
コワーキングを英語で書くと、CO-WORKINGです。このCOというのは、例えば共同創業者をCO-FOUNDERと呼ぶのと同様に「共同」を意味します。その後ろにワーキングスペースと入ると「共同で仕事をする場所」ということになります。ということで、日本人には馴染みが深い表現であろう「シェアオフィス」という言葉と全く同じ意味で使われる言葉だったりもします。(「シェアオフィス」と「コワーキングスペース」の違いはあいまいで、当社においてはほぼ同義語として使用しています。)
昨今のコワーキングスペースにおいては、組織に属す必要がなく個別にて事業を行なう起業家やフリーランスの人から複数の社員を抱えるベンチャー企業まで、その利用スタイルは多岐にわたっております。起業・創業間もない人にとってはオフィスコストを節約するという観点での利用がとても多いですし、急成長するスタートアップ企業にとっては企業規模の拡大ペースに合わせてスペースを効果的に増やせると点でも好まれる傾向にあります。また、働き方改革が叫ばれる中で大手企業の従業員の方が住んでいるところに近い場所で働くことができるスペースとしての利用も進んできています。
単純なコスト削減などのメリットなどがうたわれがちではありますが、実際のところは「能力や才能・やる気にあふれた人達、競争相手や全く違う畑の経験者などが集まることによって得られる刺激や相互紹介」などがより本当の意味でもメリットという人も多いようです。
実際のところコワーキングスペースという言葉はサンフランシスコが発祥の地とされていて日本でその言葉が使われるようになったのは2010年くらいと言われています。現在は一つの流行のように使われている言葉ではありますが、その歴史やコンセプトは、より人間らしい生活を目指した末の形であったりと、非常に興味深い言葉でもあります。また、コワーキングスペースやシェアオフィスの利用を通じて、人と人の繋がりを持ち続けることの重要性や、そのネットワークからの紹介や助け合いがビジネスを進めて行く上で非常に大きな武器になることなどを学ぶきっかけとなる場合も多いようです。
では具体的にコワーキングスペースとはどのようなものなのかを様々な点から見ていきましょう。
ワークスペースの利用
基本的には共有で利用されるワークスペースが利用されます。席は自由に座れるフリーアドレスの席が基本となっていますので、固定席はないということが前提となります。コワーキングスペースによっては自分の席が確保できるブース席などを用意していることもあります。ただしその場合は追加の費用が必要になることがほとんどです。つまり「共有」というところがポイントになります。自分が使っていない時に他の人が使うので安く利用できるという論理です。例えば1坪10,000円のスペースを3人に1人あたり5,000円で利用してもらうことによってその差額がコワーキングスペースの利益となっています。そのため専用ブースなどは他の人からの収益を自分で負担することによってスペースを確保するということになりますので、追加料金は比較的高くなると考えたほうがよいでしょう。
コワーキングスペースのメリット
コワーキングスペースのメリットはとても多くあります。スペースの都合上どうしても免許が下りない業種や飲食や小売店などでの起業でない限りは、コワーキングスペースを使って起業しない手はないというのが私たちの考えです。では実際にどのようなメリットがあるのでしょうか?
コスト面でのメリット
まずコワーキングスペースで目に見えてわかる直接的なメリットはコストパフォーマンスです。普通に賃貸オフィスを自前で借りるより圧倒的にコストは下がりますので、事業にかかる経費をかなり節約することができます。特に個別に自社オフィスを持たないと開業できない業種の方以外は、この点だけをとってもコワーキングスペースを利用して開業する方がはるかにメリットが大きいと言えます。では具体的にどのようにコストパフォーマンスがよくなるのか見てみたいと思います。
1.初期コストが低く抑えられる
賃貸オフィスを借りる場合は初期費用としてオフィス賃料の6ヶ月~12ヶ月分の保証金が必要になります。例えば賃料20万円のオフィスを借りるとすると120万円~240万円の保証金が必要となります。ただしこれはオフィスのカギをもらうための保証金で、これを払ったかと言ってすぐにオフィスを利用できるわけではありません。内装工事が必要になりますし、机やイスなどの什器が必要になります。これらを考えるとさらに数百万のコストがかかるわけです。保証金と合わせると下手をすれば桁が一つ上がってしまう可能性も十分にあります。しかし、この段階で使ったお金は直接的に収益を生むものではありません。
一方、コワーキングスペースの場合は入会金が0円~数万円、保証金0円~数十万円(20万円以上は滅多にありません)となるケースがほとんどです。コワーキングスペースによっては入会金、保証金が全くかからないという場合もあります。
賃貸オフィスとコワーキングスペースの初期費用を比較すると数百万円から数千万円の差が開くということになります。事業を運営するためではなく、事業を開始するためだけに必要な金額がこれだけ違ってくると、賃貸オフィスしか選択肢がなかった時代には起業そのものをあきらめてしまうという人が多く出ていたということは容易に想像できます。コワーキングスペースはこの点で起業のハードルを圧倒的に下げているということができます。またこの費用を売上を上げるための広告宣伝に回すことができれば、それだけ事業成功の可能性はアップします。
2.家賃が抑えられる
これが一番想像しやすいことですが、毎月の賃料がコワーキングスペースの方が低く抑えられます。例えば東京都千代田区九段下界隈のオフィスを見てみると(2018年1月)、どんなに安くても4万円は超えてきます。(これは面積が狭い、駅から遠い、築40年以上経っているという非常に条件が悪い物件です。)条件がよくなれば十数万円は簡単に超えてきます。
一方、コワーキングスペースですと数千円~数万円(1万~3万くらいの間)となります。当社は外部の方には採用しておりませんが、ドロップイン(一時利用、時間貸し)というルールを採用しているコワーキングスペースですと数百円~利用できるところもあります。
賃料は毎月かかるものですので、当然低く抑えることができれば経営がうまくいく可能性が高くなります。
3.ランニングコストが抑えられる
自分で賃貸オフィスを借りればすべてのものはすべて自分で用意しなくてはなりません。電話を引いたり、インターネット回線を用意したり、飲み物やティッシュなども自分で購入しなければなりません。これらはオフィスを維持している限り払い続ける必要が出てきます。
コワーキングスペースではこういう費用は基本的に毎月の利用料の中に含まれていますので、別途支払うことは滅多にありません。
4.いち早く事業をスタートできる
賃貸オフィスを借りる場合ですが、下記のことを行う必要があります。
・物件リサーチ
・契約
・内装業者選定
・工事
・物品選定
・電話回線
・ネット回線
・水道・電気・ガス開通
ここで注意しないといけないのが、内装工事等は物件を契約してから行うものということです。つまり賃料が発生してから行うことになります。フリーレントがつく場合は必ずしもそうではありませんが、内装工事から事業を本格的に開始するまでの間でも賃料が発生しますので、収益を生み出していない間にもコストが発生していないということになるのです。
一方、コワーキングスペースの場合は当然すでに施設はできていますので、契約が完了すれば利用が開始できます。早いところですと即日利用をスタートすることもできますので、PCを持っていればすぐに事業を開始することが可能です。
この事業開始までのコストを抑制できるのはとても大きいですし、また時間軸の問題から言っても1~2ヶ月の種まき期間が早いか遅いかで初期の売上獲得は変わってきますので、その点から見てもコワーキングスペースは有利と言えます。
環境面でのメリット
コワーキングスペースは必ずしもそうとは言い切れませんが、自分で賃貸オフィスを借りるよりオフィス環境はよくなる傾向にあると言えるでしょう。当社の場合でも自分で月額29,800円のオフィスを借りた時には実現できないであろうオフィス環境を実現しております。これはひとえにオフィスをシェア(共有)して使用するというところからできています。コワーキングスペースが別の名前ではシェアオフィスを呼ばれるのもそのためです。では具体的にどのように環境がよくなるのでしょうか?
5.立地がよくなる
当社も九段下駅徒歩30秒で銀行が入ったビルという創業・起業時にはなかなか入居することが難しいビルをコワーキングスペースとしていますが、一般的にコワーキングスペースの立地はよくなる傾向にあります。当然のことですが多くのコワーキングスペースは営利目的で運営していますし、営利目的でなくても多くの人が集まることを目的としていることがほとんどです。そういう状況で立地が悪くなると人は集まりません。そのためできるだけ立地がよい場所を選んで出店することになります。
立地が良ければ、毎日の通勤にかける時間が節約できます。毎日15分通勤時間を節約できれば平日だけで300分、つまり5時間を節約することができるのです。この5時間を使って例えばブログの記事を書いたりすれば、その記事で集客につながる可能性も出てきます。その他にも例えばアポとアポの合間にちょっと立ち寄ることができる距離であれば無駄にカフェに立ち寄ったりしてコーヒー代を使ってしまうということも減らすことができるでしょう。コワーキングスペースはこういうちょっとした積み重ねができる環境を持っていると言えます。
6.キレイなオフィス環境を実現できる
自社でオフィスを構えて起業するという段階ではオフィスにコストをかけることはなかなか難しいものです。潤沢に資金を持っていない限り必要最低限の什器だけでオフィスを使うことがほとんどだと思います。しかしコワーキングスペースはキレイな環境を実現できます。最近は様々なおしゃれなコワーキングスペースが誕生していますので、好みの環境を選択することも可能になってきています。
オフィスがキレイであれば来客を招くことができます。特にレッスンやカウンセリングを行われたり、商談の場所としてオフィスを使いたいという起業家の方にとっては、オフィスのキレイさは成果に大きく影響を及ぼすでしょう。
7.自分で揃えることが難しいものを利用可能
繰り返しになりますが、自社でオフィスを構える際にはそこにかける費用は限られてきます。それはオフィスのデスクやイスを初めとして様々なものがあります。これがシェアの概念を取り入れれば、多少高くても機能的であったりおしゃれであったりするものを設置することができます。当社の場合、イスは10万円を超えるものも多く設置しておりますし、動画スタジオにおいては個人ではなかなかそろえることができないようなカメラや照明を導入しております。
高機能のイスでしたら長時間使っても腰が痛くなったりせずに快適に作業できますし、プロ仕様のカメラを使うことによってよりクオリティの高い動画を撮影することも可能になるでしょう。
その他のメリット
上記のようなメリット以外にもコワーキングスペースを利用することで得られるメリットはたくさんあります。それらを具体的にご紹介します。
8. 掃除をしなくてもよい
自身で賃貸オフィスを借りてしまえば、掃除もすべて自身で行う必要があります。オフィスをきれいに保っておくためには毎日多少なりとも掃除をしておかなくてはいけないと思いますが、これも起業したてで従業員がない場合は、経営者が自ら行わなくてはいけません。またゴミなどをまとめてゴミの集積所に持っていくことも行わなくてはいけません。こういった作業は1回あたりの時間はそれほど多くないかもしれませんが、やはり経営者の貴重な時間を奪ってしまうことに違いはありません。
コワーキングスペースでは運営者がオフィスをきれいに清掃しますので、そういう売上に直結しない業務を経営者が自ら行う必要はありません。
9.ドリンク類が無料である
来客に提供したり、自分で飲むドリンク類などが無料で提供されているコワーキングスペースも多くあります。こういったちょっとしたものでもすべてを手配しないといけないというのが賃貸オフィスのデメリットです。
10.仲間が増える
コワーキングスペースは、ほとんどの場合個室ではなくオープンスペースで仕事をすることになります。ですから必然的に顔を合わせるケースも増えます。そういった方と知り合いになったりすることは頻繁にあります。また多くのコワーキングスペースでは利用者間の連携を促進するようなイベントを開催しています。こういうイベントに積極的に参加をすることによってより多くの方と知り合うことができるようになります。コワーキングスペースでの出会いは、異業種交流会に参加する人のように最初から「売上につなげるぞ」とぐいぐい来る人はほとんどいませんのでトラブルが起こりにくいと言えますし、むしろライトなつながりの中から「そういえばあの人はあんなことしていたはずだけど仕事がお願いできるだろうか」といった長いつながりの中から仕事が発生するというケースが多くあります。
一方、賃貸オフィスは自分で外の世界に出ていかない限りは、新しい出会いを作ることはできません。そのために異業種交流会などに別途費用を払って参加する必要がありますし、わざわざそのために時間を作ったりする必要が出てきます。
11.モチベーションがアップする
コワーキングスペースは比較的小規模で開業して間もない法人・個人の方に利用していただくことが多いです。そうなりますと事業フェーズが似た方が必然的に多くなりますので、取り組んでいることや悩んでいることも似ていたりします。例えば、「集客をどうするか?」とか、「初めて人を採用しようと思っているんだけどどうしたらよいのだろうか?」といったことを同様に悩まれていることがあります。上記の10にあるように、コワーキングスペースでは利用者間でのつながりができやすい環境ですので、そういう仲間が相談相手になってくれたりもしますし、自分だけが悩んでいるんじゃないというということも知ることができたりします。くじけそうになった時にはこういう人たちがいると思うだけでモチベーションがアップするのではないでしょうか?
12.クライアントが見つかる(かも)
10.仲間が増えると似ていますが、やはり日々顔を合わせている方と知り合うことが増えてくるとビジネス面でのつながりも出てくることもあります。ただし、コワーキングスペースだから売上が獲得できると過度に期待することは禁物です。
13.作業に集中できる環境がある
自分のオフィスを一人で構えている場合は、誰にも邪魔されない一人だけの空間を持つことができるようになります。その一方で誘惑もたくさん出てきます。「ちょっと眠いので居眠りしよう」、「見たいテレビがあったので見てしまえ」といった誘惑に対しての抗うことができるのは自分の意志だけになります。
コワーキングスペースでは、一生懸命働いている人がたくさんいますので、その中に入れば「自分も一生懸命やらなくては!」という気持ちにさせてくれるでしょう。人とのつながりの中で気持ちを前向きにさせてくれるというのはコワーキングスペースのメリットの一つでもあります。
14.一定のセキュリティが確保できる
これは女性にとってとてもプラスに働くことでありますが、オープンスペースのコワーキングスペースはセキュリティが飛躍的に向上すると言えます。例えば賃貸オフィスで女性一人が起業した場合はセキュリティはとても心もとなくなります。例えば男性一人との打ち合わせを行う場合は、相当気を遣うでしょう。また不法にオフィスに侵入して危害が加えられるという可能性もありますし、何かが起こって助けを求めてもそれが伝わりにくいということもあります。
コワーキングスペースでは当然様々な人がいますので、何かあったとしてもすぐに助けてもらうことができます。そもそもおかしなことをされること自体が減ります。実際、当社で過去にセキュリティ面で問題になるようなトラブルが発生したということはありません。
15.セミナーやイベントに参加できる
コワーキングスペースでは様々なイベントやセミナーを開催しています。イベントやセミナーで多くの人との交流ができる場を創出することに力を入れているコワーキングスペースがたくさんあります。その一方でイベントやセミナーなどはどうしても自分の興味が強いものでないとなかなか参加する気にはなりません。時間を確保して、慣れない会場まで行って、どんな人が参加しているのか気になって緊張するという感じにどうしもなってしまいます。
その点、コワーキングスペースでのイベントはなんか面白そうだなと思うようなセミナーやイベントがあればちょっと覗いてみるという感覚で参加することも可能です。「思ったより仕事がはかどったので時間があるけど、自分のコワーキングスペースで交流会をやっているみたいなので参加してみよう」といったことが可能になるのです。そして意外にも、それがきっかけで面白いつながりができたりするということも実際にあります。
これは自分でオフィスを構えていると起こりえないことだと思います。
コワーキングスペースのデメリット
コワーキングスペースはメリットが多くあるということは書きましたが、デメリットもあります。ここではデメリットについて解説します。
情報セキュリティが甘くなる
コワーキングスペースは多くの人が出入りをすることでビジネス上のつながりが生まれ、員ベーションが起きる可能性が上昇するというメリットがあります。その一方で不特定多数の人が出入りをするということは、情報の管理をしっかりとしないと機密が漏洩してしまうかもしれないという危険性があります。
雑音があり、集中できない可能性がある
こちらも情報セキュリティと同じでコワーキングスペースは色々な人とのつながりやコミュニティ形成などがメリットですが、コミュニケーションが活発になればなるほど、会話が増えるわけですからどうしても雑音が発生してしまいます。この雑音が気になって作業に集中できないという可能性があります。
作業スペースが確保しにくい
コワーキングスペースは基本的には自分の席が決まっていないフリーアドレスのシステムを採用しています。一つの席を共有することによって一人当たりの利用者の利用料金を下げていますので、どうしても自分の席は持てません。(持てるところもありますが、当然価格は高くなります。)
コワーキングスペースとその他のオフィス形態との比較
コスト
コワーキングスペース | ◎ | 基本的には空いているスペースを利用するというフリーアドレスのため非常に安価。中には自分の専有スペースを持てるプランがあるコワーキングスペースもある。月額で利用できるところあれば、利用する時だけ支払う「ドロップイン」のシステムを採用したり、その両方が使えるようになっているコワーキングスペースもある。月額で数千円~多くても50,000円程度。ドロップインの場合は数時間で500円程度から1日で2,000円が相場。入会金・保証金も格安。スペースによっては入会金・保証金がないところも。 |
レンタルオフィス | △ | コワーキングスペースよりは価格が上がるが、自社オフィスは安い。一定の面積を専有するため「坪単価いくら」という概念からは逃れられない。会議室やトイレ、給湯室などを共有できるため価格が安くなるというイメージ。また通常の賃貸借契約より契約期間や退去の通告のの縛りゆるいため、素早い移転が可能となり無駄な賃料発生の可能性は低下する。 |
自社オフィス | × | コワーキングスペース・レンタルオフィスに較べると高額になる。月額の賃料はもちろんのこと、入居時の保証金は6ヶ月~12ヶ月になるためかなりの資金が必要になる。また基本的に造作されていない状態で引き渡されるので、自分自身で造作をする必要がある。備品等もすべて自分で揃えないといけない。 |
交流
コワーキングスペース | ◎ | 他の利用者との垣根が低いため自然発生的に交流をするチャンスがある。またコワーキングスペースの運営者自体が利用者のコラボレーションを促進しようという考えが強いため、より交流の機会が多くなる。 |
レンタルオフィス | △ | 自分のレンタルオフィスに行っても基本的には個室に入ってしまうため他の利用者と触れ合う機会は少なくなってしまう。レンタルオフィスの運営者が交流会を開催している場合は、それを利用して交流することができる。 |
自社オフィス | × | 完全な独自スペースのため自分で異業種交流会等に参加しない限り、他の人と交流する機会はない。 |
スペース
コワーキングスペース | △ | フリーアドレスになっていることがほとんどのため、自分専用のスペースは基本的に確保できない。他人の話し声等が邪魔になることもある。最近はそれらの対策を施したコワーキングスペースも登場している。またイスの数より多くの会員を受け入れていることがほとんどのため、一時的に席が使えない状態が発生する可能性がある。 |
レンタルオフィス | ○ | 自分のスペースは確保されているので、座れないという状況になることはない。ただし会議室などは共有されているので自分が好きな時に他のメンバーが会議室を使ってしまい、利用できないということが起こりうる。またレンタルオフィスの構造によっては完全個室になっておらず話し声が筒抜けになってしまうところもある。 |
自社オフィス | ◎ | 完全に自分のスペースのため、自分の好きなように使用することができる。また他社の人間はいないので守秘的な話をしても安心。関係ない話で惑わされることもない。ただし清掃等のメンテナンスも自分で行わないといけない。少数で運営している場合は、不在時の宅配便の受け取りなども面倒にだったりする。 |
コワーキングスペースに何を求めるのか?
上述の通り、多くの雑誌や媒体で語られているようにコストメリットと言う点はコワーキンススペースを利用する際の大きなアドバンテージである点は間違いありません。
それにプラスして、元来のコワーキングスペースのコンセプトはコワーキングスペースというコミュニティにおける人々とのつながりができていき、お互いのビジネスが発展していくという側面が強くあります。その一方でプライベートなスペースが持ちづらかったり、利用者同士でのトラブルに巻き込まれたりといったデメリットも正直あるものです。(運営者としてはそれは頻繁に起こることではないと言い切れますが、完全にゼロではないということも言えます。)そういう場合に、「コワーキングスペースに何を求めるのか」を明確にしておく必要は多々あります。
コワーキングスペースの激戦区と言われる東京において、どこを利用するかを検討する場合でも、今回のような「そもそもコワーキングスペースって?」という点から実際のオフィスを見てみると、また違った確度から魅力を見つけることが出来るかもしれません。
例えば、コワーキングスペースやシェアオフィスにおいては、もしかしたらいかにして「プライベートなスペースを維持できるか」を大切だとお考えになる方もいらっしゃるかもしれませんが、あまりにも周囲との遮断が可能な場合、周りとの関わり合いからより良い環境を作り出す本来のコワーキングスペートのメリットを十二分に得られるのかどうか、考える必要がありませんか?