【コワーキングスペース体験談】利用してみて分かったコワーキングスペースのあれこれ
[記事公開日]2018/08/15 / [最終更新日]2018/08/15
この記事の内容はコワーキングスペースを利用された方から広く一般的に体験談をお聞きして文章化したものです。ナレッジソサエティのコワーキングスペースを利用しての体験談ではございませんのでご注意ください。
私は少し前に転職をしたのですが、新しい会社では決まったオフィスがありません。狭い事務所のような一室があるだけで、あとは何もないのです。では普段どこで仕事をしているのかと云うと、それがこれからお話しをするコワーキングスペースです。
最初は本当に驚きました。採用の連絡と同時に仕事の際にはこちらのビルへ来てくださいと言われ、その場所が他の会社の所有するフロアだったからです。そして恐る恐るその場所へと行ってみると、老若男女問わず30人ほどの社会人が一堂に会していました。
ところがこの30人、全員が同じ会社に属しているわけではありません。よく見ると1つのフロアを会社別で上手に使い分けて、共存しながらそれぞれの仕事をしています。これまで決まったスペースで黙々と仕事をする経験しかしていなかったものですから、この光景には随分と驚かされました。
とはいえこれこそがコワーキングスペースの魅力なのだと、そう気付くのに時間は掛かりませんでした。ビルの一室を貸し切って働くよりもコストは遥かに安いですし、拓けたスペースで仕事ができることには開放感もあります。聞くところによると先輩たちも最初は皆戸惑ったようで、それでも時が経つにつれどんどんとその良さを知っていったようです。
当然、他の会社の方たちとの交流もあります。全く異業種の人とお話しできたり、或いは連絡先の交換までできることがあるのです。通常のオフィスで仕事をしていると、せいぜい同業者の人としか深い関係は築けません。ですがコワーキングスペースでなら、その可能性も無限大なのだと思います。
一方でデメリットとしては、プライベートな空間が全くありません。休憩中の軽い雑談でも誰に聞かれているか分かりませんし、裏を返せば自分が陰口を言われている心配も少なくなります。更には自分たちが休憩をしていても、同じ空間の中では依然仕事中の会社もあります。ですから変に気を遣うこともあったりして、お互いの距離感が難しいなと感じる毎日です。
ちなみに私の会社では、日によって利用するコワーキングスペースが変わることもあります。例えば月水金はこのフロアで、火木土はあのフロアといった形です。うっかりしていると出社すべき場所を間違えてしまうこともあるため、慣れるまではなかなか緊張感を持っていた記憶があります。
こんな風に、色々な出会いや驚きに包まれて今は仕事をしています。そしてこうした経験を受けて、1つ就職前の学生さんたちにおすすめしたいことができました。それはインターンシップ先に、コワーキングスペースを利用している会社を選んでほしいということです。
これを意識してインターンシップ先を選べば、通常とは違いいくつもの会社の人たちと接点が持てます。学生時代にはとにかく沢山の社会人と出会うことが重要ですし、上手く使えば何倍も有益な出会いができるでしょう。その分就職の間口が広がり、就職活動戦線でも優位に立てるかもしれません。
現実に、私は他社のインターンシップ生と何度も会話をする機会がありました。本来なら考えられない接点ですが、色々な会社が集まっているからこそ実現するメリットです。もしも私の学生時代にこのような文化があったらと、本音を言えば羨ましくなってしまいました。本当に貴重で実りある経験になりますから、社会人デビュー前の学生さんには覚えておいてほしいです。
きっと、利用する会社や人同士でのトラブルを心配する人もいるでしょう。偽りのない話をするならば、常にそのリスクは潜んでいます。先程休憩中に気を遣うというお話をしましたが、実は何度か他の会社の社員さんからお叱りを受けたことがありました。理由は声のボリュームで、私たちはそれほど大声で話している自覚はなかったものの気に障ってしまったようです。
その後すぐ他の社員さんが謝りに来てくださいましたが、非常に気まずい空気が流れたのを覚えています。少しでも空気が淀むと、そこから他の会社も巻き込んで空気が悪くなるのです。そんなところまでシェアしなくてもと思いますが、最も代表的なデメリットなのかもしれません。
どんなことにも一長一短、それでも私はコワーキングスペースのメリットに大きな魅力を感じています。会社としても良い形でオフィス費用を浮かせられているようですし、これからもこの環境で懸命に働いていきたいです。
ちなみにやや不純な話にはなりますが、異性との出会いも通常の数倍チャンスがあります。自分の勤めている会社の中で良い出会いがなくとも、諦める必要はありません。私も一時期隣のスペースで働く他社の社員さんが気になっており、毎日その人に会うのを楽しみにしていたことがありました。結局交際にまでは発展しなかったものの、こういったところから仕事のモチベーションに繋げることもできるでしょう。
オフィススペースを共有すること、これはこれからもっと日本国内で流行っていってほしいです。多種多様な可能性を秘めていますから、知らなかったという皆さんもこれを機に着目してみてください。