急成長するスタートアップ企業がコワーキングスペースを利用したよい
[記事公開日]2018/02/25 / [最終更新日]2018/07/15
スタートアップ企業はベンチャーキャピタルからの出資などにより資金調達して早く事業を拡大していくため、オフィススペースについてどうしたらよいかと悩まれる方が多い傾向にあります。資金があるので最初から自社のオフィスを構えるスタートアップ企業も多いかと思いますが、コワーキングスペースは選択肢に入れるべきではないのでしょうか?スタートアップ企業とコワーキングスペースの関係性について考えてみたいと思います。
まず結論からいいますとスタートアップ企業はコワーキングスペースを利用するべきですと断言できます。それは以下のような理由からになります。
①コストコントロールがしやすくなります
②よい人材を採用しやすくなります
③登記を移転させなくてすみます
コストコントロールがしやすくなります
スタートアップ企業は先に事業基盤を拡大して収益は後でという戦略の企業も多いため、できるだけコストはフレキシブルに増減できる体制を整えることが重要になります。そんな時にコワーキングスペースを利用すると効率的なコストコントロールが可能になります。
自社オフィスとコワーキングスペースを併用すれば、先々の人員拡大に備えてコストをかけて大きめの事務所を借りるという必要もありません。適正なサイズのオフィスを構えた上で、それを超えた人員については一人採用するごとにコワーキングスペースで働いてもらうことによって人員とオフィスコストを完全にマッチさせることができます。大き目なオフィスは収益が出てさらにそれが安定した段階で借りることができるようになります。
よい人材を採用しやすくなります
スタートアップ企業は最初から採用に多くのコストをかけられるわけではありません。つまり優秀な人材を採用にするために給与面でアピールをするということがなかなかできません。そういった時に職場をコワーキングスペースにして、その方の居住地近くで仕事をすることができるというアピールができれば多少給与面でアピールができなくても、人によっては魅力的に映る可能性があります。
登記を移転させなくてすみます
法人登記は移転をさせるのに費用が掛かります。法務局の同じ管轄内での移転の場合は3万円、他の管轄に移転する場合は6万円が国に納める費用として発生します。専門家に手続きを依頼すればさらに費用がかさみます。これを毎回オフィスを移転するたびに行うと結構な費用になります。
こういう出費を避けるための手段としてコワーキングスペースを登記上の本店にするという方法があります。つまり仕事をするスペースとして自前でオフィスを構えて、本店登記はコワーキングスペーススペースに置くという意味です。こういう方法ですと、人が増えて拡大移転となったような場合でも本店登記はコワーキングスペースに残したままで済みますので、いちいち移転登記をする必要が無くなります。逆に事業を整えるために一旦規模を縮小するという局面でも登記について心配する必要がなくなるというのは費用面でプラスになるといえます。
ただしこの場合は少し注意が必要です。それはコワーキングスペースが事業を継続して行うかということです。コワーキングスペース自体が無くなってしまうと、自分たちの意志に反して登記を移転させなくてはいけません。無駄な出費を強いられることになります。
そうならないためにもコワーキングスペースに登記する際は以下のようなことに注意するとよいでしょう。
コワーキングスペース事業で収益が上がっているのか?
コワーキングスペース事業で利益が上がっていないと、当然事業を閉鎖するということが起こりかねません。利益が上がっているか上がっていないかを直接教えてくれるかはわかりませんが、それを類推することはできるかもしれません。そのひとつとしては業歴です。利益が上がっていなければ事業を継続することができませんので、長く運営されているということは利益を上げているか、あるいはマイナスだったとして何かしらの後ろ盾があるということがいえるでしょう。こういうコワーキングスペースは一定の評価をしてもよいのではないでしょうか?
コワーキングスペース事業が本業なのか?副業なのか?
収益面とも大きく関わってきますが、コワーキングスペース事業が本業なのかということも大切なポイントです。本業である場合はやはり前述の収益が大きなポイントになります。本業で収益が上がっていない場合はビジネスが続けられません。一方で副業の場合、つまり他に事業があってどちらかというとそちらがメインビジネスになっている場合ですが、これは副業であるコワーキングスペース事業が本業の都合によって閉鎖させられてしまうかもしれないというリスクがあるということです。この点も気をつけたほうがよいでしょう。